行動からニーズを推測する
私たちが行動をする時、必ず「〇〇がしたい」があります。
電車の中でふと周りを見渡して見ると、多くの人がスマホを見ていることに気づきます。よく考えてみると、スマホが見たくて見ているのでしょうか。それとも、隙間時間を使って勉強したい、友達と連絡したい、暇潰しに動画が見たいなどしたいことがあるからスマホを見ているのでしょうか。もしかしたら、機種変更したばかりで嬉しくスマホを操作したいもあるかもしれません。行動を見ると相手の〇〇がしたいが見えてきます。
この「したい」をニーズと言いますが、私たちはニーズがあるから行動をします。行動を観察することで相手は何も求めているのかを推測することができます。商品やサービスを考える時に、消費者ニーズを深く理解することは、ヒット商品の第一歩です。
今までになかった新たな商品は、私たちが気づいていなかったニーズに応えていることが多くあります。ニーズを満たしてくれるから欲しいと思いますし、今までそんなニーズがあるなんて気づいていなかったから新しく感じます。
しかし、行動をしてるのに気づかないことがあるでしょうか。実はかなり多くあります。他に手段がなくてやっていることにヒントが隠れています。
今、外出をする際や人が集まる場所ではマスクをしています。フェイスガードなども一時ありましたが、ほとんどの人はマスクをしています。本当はマスクをしたいわけではありませんが、感染予防をしたくても他に手段がないからやっています。
「マスクをすることなく感染予防がしたい」というのはあったらいいけど方法が今はないために欲しいとも思いません。気づかないニーズです。
これが、マスクをしなくても感染予防ができる手段が出てきたら、欲しいと思うようになります。iPhoneが登場した瞬間に、スマホが欲しいと思ったのと同じことです。スマートフォンというカテゴリーがなければ、スマートフォンが欲しいと思いません。日本からスマホが誕生しなかったのはiモードをはじめとする既存の携帯電話サービスが充実していたために、ある程度のことが満たされてたということも背景にはあったかもしれません。
もう一つ大切なことはお金を払ってでも、という視点です。宇宙旅行は少し現実に近づいてきました。しかし、現時点では多額の費用が必要になります。ハワイに旅行に行くのとは桁が違います。宇宙に行きたいとは思っても、そこまでお金を使ってまでは行きたいと思わないというのがまだ現状です。商品・サービスはその価格も必要な要素になります。
商品を企画することに限らず、普段から「行動」に注目することは大切なことです。友達と食事をしていて、普段食べないようものを注文していた時、「たまには違うものが食べたいよね」と思うのか、「何か変化があったのかなあ」と思うのかで相手への理解が変わってきます。もしかしたら体調が悪いのかもしれないし、ダイエットを始めたのかもしれないと推測することだってできます。思い込みがよくはありませんが、相手を知る上で、行動から読み取れるものがたくさんあります。