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2022/04/06

自分が変われば相手も変わる
筆者:石黒太一
 

過去と他人は変えられない。他人を変えようとすることは簡単なことではありません。まずは自分から変わることであるということも、なんとなくわかってはいますが、「自分が変わっても、相手に何か影響を与えることができるのか」という疑問もあります。しかし、自分のあり方で相手も変化するということは本当に起こります。
 
悩んでいる人がいて、話を聞いてほしいと言われたとします。あり方として、アドバイスをしようと考えることもあれば、まずは聴くことに徹するということもあります。この2つのあり方は全然違います。アドバイスしようと思っていると、話を最後まで聞かずに途中で遮ってしまうこともあります。聴いてほしかったのに、アドバイスされることのほうが多くて、結局モヤモヤして終わってしまうことがあります。逆に、聴くことに徹することで、何もアドバイスはしていないのに、本人が自分で気づいて解決していくことがあります。ただ、聴いているだけで、相手が元気になっていくのです。
 
これは、よくある話だけではなく、人との向き合い方の本質なのではないかと思います。他人を変えようとして変えることはできませんが、自分が選んだあり方は、相手に影響をします。相手をできない人だと思って接すれば、どんどん力が抜けていってしまいます。しかし、相手を信頼して接すれば、どんどん力が湧いてきます。
 
友人の大切な試験の前に、あなたならどちらの気持ちで接しますか。
「これまで努力をしてきたから大丈夫」
「実力不足で全然ダメだ」
もし言葉にしなくても、この思いは伝わっています。後者を選んで相手に良い影響を与えることができるとは思えません。大切な人だからこそ、信じたいし、心から応援する気持ちが相手の力になります。
 
スポーツでも、自分が出場するわけではないのに、応援するチームを信じているし、勝ってほしいと願いますよね。願ったところで得点を決めることはできませんが、勝つことを信じています。もし、観客席の全員が負けることを確信している試合で、力が入るでしょうか。自分がサッカー選手で、全員からダメだと思われている状態で、自信を持ってドリブルができるイメージが持てるでしょうか。
 
目で見えないことですが、目の前の人を信じることは、相手を力づけますし、人との接し方や自分のあり方として大切にしたいものです。他人を変えようとするのではなく、相手を信じること。それが相手にとっての力になります。あなたはどんなあり方を選びますか。

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