就活の3つの壁
就職活動の3つの壁について考えていきます。自分の選択に迷いがある時、これらの思い込みを捨ててみることで道がひらけます。
1 若いうちから活躍できる
「御社は若いうちから活躍ができる」という志望動機を作ることがあります。ずっとこの動機に違和感を感じていました。なぜなら、採用広報で発信されている情報は比較的年齢の近い先輩社員の活躍がほとんどであり、それらを見て若手が活躍していると考えるのであれば、全ての企業に当てはまるからです。実際、どの企業もで若いうちから活躍する機会はあり、むしろ若いうちだからこそ、がむしゃらに取り組まなければいけません。「10年経たないと一人前になれない」というのは、相当大きなピラミッド構造組織だと思いますが、VUCAと言われる時代に、その多くは変革を求められています。
「若いうちから活躍できる」ということは前提として、どれだけチャレンジする組織、会社なのかをよく見てみることが大切です。チャレンジが多ければ、それだけ成長の機会は多くなります。
2 自分に合う社風
社風は働く上で重要なことです。しかし、国の文化と同じように一言で表すことはできません。「日本の文化が好きです」と言っても、歴史なのか、マンガ・アニメのことなのか、食文化なのか、一つひとつの要素が複雑に絡み合ってできあがっているのが文化です。企業の社風も切り口を変えてみると様々なものが見えてきます。
「自分に合う社風」というのは一体どのようなものでしょうか。「入社数日で退職した」というツイートやInstagramの投稿をみることがあります。入社前には社風に少なからず触れているはずであり、合うと思って選択をしています。それでも社風が合わなかったと言って離れてしまうことを考えると、自分に合う社風を自分で決めることの難しさを感じます。
面接で自分を会社に合わせようと表現したり、繕ったりします。面接用の自分を伝えても、それは誰のためにもなりません。自分をありのままに伝えることで、社風に合うかどうかをお互いに考えることができます。
3 今の「業種・業界」で考える
「〇〇業界を見ています」業界・業種区分が本当に正しいのかを疑うことです。例えば、異業種参入についてのニュースをみることがあります。かつては家電メーカーと言われた企業が自動車業界に参入するという例もありました。今時点での業界は10年後、20年後は全く変わっている可能性はあります。もしかしたらそのタイミングは5年後かもしれません。業界・業種は「あくまであえて括るならこれ」というものであり、本来は10社あれば10通りの業種区分なのだと考えています。
社会は変化し続けています。生活環境も変わり続けています。「ポケベルに関わる仕事がしたい」と考えて就職活動をする人は今ほとんどいないのと同じように、今目の前のことだけで考えても、的外れになることがあります。
その企業、組織がどのような歴史で今に至っているかを知ることで、その先の未来も想像することができます。常に変わり続けている企業であれば、これからも変わり続けます。逆に500年近く続いている企業が変化しないかと言えば、それもまた違います。時代に合わせて変わり続けているから今があるのです。ポイントは変化の中で変わらないことが必ずあ理、それを知ることです。これが本当の企業研究なのです。
自分の中で就職活動に壁を感じているなら、もう1段階深く見てみることです。大切なことを理解するほんの少し手前で来ています。勇気を持って踏み込んでみること。そこに自分にとっての答えがあります。