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2022/05/23

まずは自分から理解しよう
筆者:石黒太一
 

毎日前を歩いているはずなのに、駅の改札にこんな表示あったかな、と思うことありませんか。建て替えで更地になっているのを見ると、ここにどのような建物があったかを思い出せないというのも同じことです。普段から目にしているのに、覚えていない、思い出せない。ここから気づくことは「自分は見たものを見たいようにしか見ていない」ということです。

本を読んで感銘を受ける部分が人によって違うということがあります。他人の感想を聞いて同じ本を読んでいるのに「そんなこと書いてあったのか」と思うのは、自分にとって関心があることを読んでいるし、自分の課題に対するヒントを得ようと読んでいるからです。

私たちは「自分のものの見方」ですべてのことを見ています。同じものを見ても、他人はまた別の見方をしています。言語や文化、環境が同じだからといって全く同じように見ているとは限りません。学生のときは同じ年代の人たちが集まっているので、比較的近いものの見方をしていたかもしれませんが、社会に出ると様々な世代の人、経験をもった人と接することになります。なかなか相手のことが理解できない、理解されないというのは当然のことかもしれません。

理解されないからあきらめるのではなく、理解することを努力しなければいけません。それは相手も同様です。お互いに理解することを続けるからこそ、少しずつ相互理解になっていきます。時には立ち止まって、自分の周囲を見渡してみることです。探しているものが目の前にあるのに、見落としていたり、すでに渡されているのに気づいていなかったりもします。

理解してもらおうではなく、「まずは自分から理解しよう」が大切です。自分は自分が見たいようにしか見ていない、ということを常に頭の片隅に置いておき、人と接することです。コップの水が半分入っていたら、「半分しか入っていない」と思う人と「半分も入っている」と思う人がいます。でもそれは普段は口に出して言わないので、どちらの見方をしているかを気づかないのです。相手を理解するということは、相手に関心を持って、相手の話を聴くことです。自分の見方が全てではありません。相手がどのようなものの見方をしているでしょうか。

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