MIRAI-ZINE

menu

2022/05/31

思考で考えない
筆者:石黒太一
 

ずっと頭の中でぐるぐるしていることを、書いてみたり、人と話をしてみたり、自分の感情と向き合ってみると解決の糸口が見えます。すべての出来事が1+1=2のように明確な答えがあるわけではありませんし、必ずしも合理的な判断だけをしているとも限りません。考えても考えても答えが見つからないこともあります。

本を読んで、知識を身につけ、理屈はわかっているけど、実際にやってみるとできないことはたくさんあります。運動であれば体が覚えていたり、時には直感というものが必要になることもあります。自分がワクワクしていないときには結果がでないのに、ワクワクしているものは自然と高い結果が出るということは、自分の感情も大切なものの一つであることがわかります。「気分が乗る」という言葉があるように、思考だけではないことを私たちは普段から理解をしています。

理屈で言えば正しいが、実態は正しくないということもあります。「その考えは正論だけど」という枕詞付くときはたいてい「だけど」の後が正解です。結婚式の後、盛り上がっている人たちに撤去の時間なので今すぐ式場の外に出てくださいというのは正論ですが、余韻を楽しんでいる方たちにはその喜びの感情に寄り添った伝え方、対応が大切になります。杓子定規と言われることの多くが、正論だけど心や感情を含んで考えるとそうじゃないよねというものです。

私たちは頭で考えろと教わってきました。算数では1+1=2であり、国語の問題では必ず選択肢の1つが答えであると学んできました。基本はこれでいいかもしれません。しかし、生きていく上では、必ずしもそうとは限りません。モノの見方は人によって違いますし、感情で判断することはいくらでもあります。いつも頭で考えているだけではなく、体を使って、心や感情に向き合って、考え判断することも必要です。

RECOMMEND