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2022/06/03

寄りそうこと
筆者:石黒太一
 

私たちはひとりで生きているわけではありません。必ず誰かがいるからこそ幸せに生きることができます。人との関係において、「寄りそう」ことの大切さを考えたいと思います。

体調が悪くてうずくまってる人を目の前にして、立ったまま「大丈夫ですか?」と声をかけるのか、同じ目線に合わせて座って「大丈夫ですか?」と声をかけるのではどのような違いがあるでしょうか。立ったまま、見下ろすような状態から大丈夫ですか?と言われても他人事のように感じますし、義務的に感じる場合もあります。うずくまってる人から見れば、通りすがりの人だなぐらいで終わってしまうことでしょう。同じ状況でしゃがんで、同じぐらいの目線になって大丈夫ですか?と言われると、本当に心配してもらえている、助けてくれる人がきたと感じます。普段の私たちも「立ったまま」のコミュニケーションになっていないでしょうか。

共感をするという言葉を日常で使いますが、「立ったまま」ではなかなか共感にはなりにくいものです。どちらかというと同情になっています。相手に寄りそうこと、共感することは決して簡単なことではないことに気づかされます。寄りそっているつもりが、相手をジャッジしていたり、表面上で「いいね」をしているだけになっていることもあります。

目の前の人はどのようなことを大切にしているのでしょうか。相手の考えをただ褒めたり、ただ否定していてもつながった感覚は得にくいものです。その人が「大切にしてること」に焦点を当ててみると、目の前で起きている出来事や行動の本質につながることができます。例えば、毎日散歩道で元気に挨拶をしてくださる方がいたとします。いつも元気な方だなあで終わるのではなく、「人とのつながりを大切にしているのだろうか」とか「声をだすことで周りを元気にしたい」などその行動の中心にあるものを考えみると、自分とつながることや相手のことをより理解しようという気持ちになっていきます。

目の前の人に寄りそうことはより深い関係性を作っていきます。相手のことも自分のことも理解することにつながっていきます。人との関わり方が変わるともっと「今」が楽しくなります。

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